この記事で学べること
- カテゴリごとに個々の系列を直接比較したいときは、集合棒グラフを使います。
- カテゴリごとの合計とその内訳を見せたいときは、積み上げ棒グラフを使います。
- 積み上げ棒グラフの上側の区分は起点がそろわないため、正確に比較しにくくなります。
- 集合棒グラフは2〜4系列を目安にし、詰め込みすぎを防ぎます。
読み手が何を比較したいかを出発点にする
複数系列のデータには、四半期や部門といった主なカテゴリと、目標・実績や人件費・運営費といった系列の、2つの分類軸があります。表計算ソフトで並べやすい順序ではなく、読み手に答えてほしい問いに合わせて配置を選びましょう。
- 集合棒グラフ:各カテゴリの中で、系列ごとの棒を横に並べます。
- 積み上げ棒グラフ:各系列の値を積み重ね、カテゴリごとに1本の棒にまとめます。
図で学ぶ
共通の基準線と、積み上げた合計
集合各系列を比較
積み上げ合計と内訳を比較
系列を正確に比較するなら集合棒グラフ
集合棒グラフでは、すべての系列が共通のゼロ基準線から始まります。起点がそろうため、棒の長さを直接比較しやすくなります。
目標と実績、前年と今年、コホート間の比較など、「各カテゴリでAとBはどう違うか」を知りたい場合に適しています。各グループが読みやすくなるよう、系列数は絞りましょう。
集合棒グラフを読みやすく保つ
- 系列数は2〜4個を目安にします。多すぎると棒が密集し、凡例との対応も覚えにくくなります。
- 系列の並び順は、すべてのカテゴリで統一します。
- 棒に直接ラベルを付けるか、近くに凡例を置き、似た色の濃淡だけで区別しないようにします。詳しくは複数系列での見分けやすい色の選び方をご覧ください。
- 同じグループ内の棒同士よりも、グループ間の余白を少し広く取ります。集合棒グラフ作成ツールで試してみましょう。
合計と内訳を示すなら積み上げ棒グラフ
積み上げ棒グラフは、各カテゴリの合計値を重視します。主な問いが「部門の予算総額はいくらか」で、次の問いが「そのうち固定的な人件費と裁量的な支出の内訳はどうなっているか」なら、両方を一度に示せます。
起点がそろわないことの影響を理解する
積み上げ棒グラフでは、共通の基準線を持つのは一番下の系列だけです。それより上の区分は、下にある区分の累積値から始まります。そのため、部門Aと部門Bのオレンジ色の区分を比べるには頭の中で差を求める必要があり、読み違いにつながりやすくなります。
最も重要な区分、または変動の少ない区分を一番下に置きます。途中の区分を主役にしたい場合は、集合棒グラフや同じ目盛りの小さなグラフに分ける方が、違いを忠実に伝えやすくなります。
100%積み上げとの違いを押さえる
100%積み上げ棒グラフでは、すべてのカテゴリを同じ全長に換算します。「構成比はどう違うか」が分かる一方、絶対量は見えなくなります。予算200万米ドルの部門も2,000万米ドルの部門も、棒の長さは同じになります。
- 絶対量の合計と内訳には通常の積み上げを使います。積み上げ棒グラフ作成ツールで試せます。
- 割合、回答の構成、市場シェアの比較には100%積み上げを使います。100%積み上げ棒グラフ作成ツールで試せます。
- 合計の大きさが判断に欠かせない場合は、100%積み上げを使わないようにします。
選び方の早見表
| 知りたいこと | 適した形式 | 理由 |
|---|---|---|
| 実績は目標を上回ったか | 集合棒グラフ | どちらの棒もゼロから始まり、直接比較できます。 |
| どの部門の合計が最も大きいか | 積み上げ棒グラフ | 棒全体の長さで合計の大きさが分かります。 |
| 回答の構成比はどう異なるか | 100%積み上げ棒グラフ | すべてのカテゴリを同じ百分率の目盛りで比べられます。 |
| 多数のカテゴリで、ある区分はどう変化するか | 集合棒グラフ、または同じ目盛りの小分けのグラフ | 共通の基準線があると、より正確に比較できます。 |
公開前の確認
- グラフで答えたい問いを1文で書きます。
- 答えに必要なのが個々の系列、合計、割合のどれかを確認します。
- 色数を絞り、系列の順序を統一します。
- 単位と合計を明記し、区分のラベルは十分な余白がある場合だけ付けます。
- 色をなくしても、位置、ラベル、模様で内容が伝わるか確認します。